今回のテーマは「自社の損益分岐点売上高は??」になります。
損益分岐点売上高は、「経常利益がトントン(0)になる売上高」のことで、計算式は次の通りです。
損益分岐点売上高を把握するには、経費を「固定費」と「変動費」に分ける必要があります。
【計算式】
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率(限界利益※ / 売上高)
※限界利益 = 売上高 ― 変動費
税務署や銀行に提出する損益計算書(通常の損益計算書)は、売上・売上総利益(粗利)・営業利益・経常利益などの形で作成します。
一方、損益分岐点売上高を把握するには、経費を固定費と変動費に区分した損益計算書(変動損益計算書)を作成する必要があります。
一言でいえば、「目標利益を達成するための売上高が明確になる」ことと思います。
決算報告では1年間の成績について、「収益性・生産性・安全性・(成長性)」について、財務分析を行い過去の状況把握をします。
同時に、次の1年間の目標利益を設定しますが、この時に「損益分岐点売上高」が重要になります。
例えば、役員報酬がある程度取っているが赤字が続いている場合であれば、「現状の役員報酬を維持しつつ、利益をトントンにする売上高」を目標にしてもよいかもしれないです。
また、借入返済がある場合、「借入返済をしても手元にキャッシュが残る売上高」を目標にしたり、その他、「経常利益率10%を達成するための売上高」を設定するケースもあります。
業種によっては毎月の売上高が変動するケースもありますので、年間目標売上高から毎月の目標売上を設定するケースもあります。
いずれにせよ、自社の損益分岐点売上高から目標設定することで、固定費を一定額に抑える・必要売上高を達成する、という意識が強くなります。
先日も、顧問先様との打合せで目標達成に必要な売上高をお伝えし、毎月1件スポット単価いくらくらいの案件を受注できれば目標達成できるということが明確になりました。
また、従業員を一人雇う場合の必要売上高も明確になり、目標達成に向け尽力するというお話になりました。
会社によっては、ビジョンや経営理念から落とし込んだ中期経営計画(3年~5年の計画)を作成しているケースもあると思います。
たとえ中期経営計画を作成していなくとも、何かしらの明確な数値目標があった方が、多くの経営判断に役立つと思います。
ぜひ、自社の損益分岐点売上高を把握して有効活用していただけたらと思います。